「ホワイトカラー」「ブルーカラー」 … みなさんは、これらの言葉から、どのようなことを連想されますか ?
実は私、大学入試の英作文で、「ホワイトカラー」を、「white-color」と書いて間違えたという苦い経験を持っています。Color ( 色 ) ではなくて、Collar ( 襟 ) 。結局は「色」のことを表現しているのですから、 color でも collar でもどっちでもいいじゃないかと思ったのですが、間違いは間違いです。
話を戻しましょう。この 2 つの言葉、そもそも職種を色で識別するということで、何となく差別的なニュアンスがあることは否定できません。よって、これまでは、あまり好まれて使われる言葉ではなかったように思います。しかし最近、この言葉が頻繁にマスコミをにぎわすようになってきました。
「ホワイトカラー・エグゼンプション ( white collar exemption ) 」、日本語では「自立的労働時間制度」とか、「労働時間規制除外制度」と呼ばれています。 Exemption というのは、「除外」ということ。つまり、ホワイトカラー・エグゼンプションというのは、ホワイトカラーの社員を労働時間の規制から除外し、自分の裁量で何時間働いてもいいが、残業代は支給されない … という制度のことを指しています。 2005 年に経団連が提言を行い、 2006 年に厚生労働省の労働政策審議会が素案を作成して立法化を目指していましたが、政府は 2007 年の通常国会への提出を先送りしました。先送りの理由は、労働組合大手の反発と選挙に対する配慮が大きいのでしょうが、制度自身に詰めの甘い部分も多く、導入は時期尚早というのが実際のところでしょう。
そもそも、日本の労働基準法では、「 1 日 8 時間、週 40 時間以上働いてはいけない」というルールがあります ( これは労働基準法第 36 条で規定されているので、「 36 ( さぶろく ) 協定」と呼ばれています ) 。それを超えて働く場合には、組合と労働者代表が協定を結び、労働基準監督署に届ける必要があります。つまり、みなさんが行っている「残業」という行為は、法律を超えた例外的な扱いなのだということを意味します。残業は例外なのですから、何らかの見返りが必要です。なので、割増賃金や残業分を休日に振り替えてもいいよ、ということになっているのです。
以上のような措置は、一般社員 ( = 労働組合員 ) にしか適用されず、管理職は規制対象からはずれます。つまり、いくら残業しても、残業代も出なければ、休日振替もできません。ホワイトカラー・エグゼンプションとは、一般社員についても、まるで管理職のように規制対象からはずそうという考え方なのです。
さて、以上述べたことがホワイトカラー・エグゼンプションとして騒がれている内容の概略です。問題を整理してみると、「ホワイトカラー・エグゼンプションという考え自体は悪くはないが、対象者の基準が曖昧なために、このままでは企業に悪用されかねないので改良が必要」 … と、まぁ、こんな感じでしょうか。
では、どのように改良すればいいのか ? 外資系企業の立場から考えてみましょう。そもそも、ホワイトカラー・エグゼンプションというのは、アメリカの考え方です。このことは、横文字を使っていることからもわかります。実際に、私はアメリカ系の外資系企業に勤めていますが、「ホワイトカラー・エグゼンプション」の枠組みの中で仕事をしています。どちらかというと、自分からそれを望んだからこそ、日系企業から外資系企業に転職したのです。上で述べたA さんと B さんの例で言えば、自分は A さんに該当するので、 B さんと同じ ( ないしは、それ以下の ) 評価を得たくないと考えたからこそ転職したわけです。
私だけではなく、外資系企業に勤めている人の大半は、このように考えていると思います。なので、正直言って、日本版ホワイトカラー・エグゼンプションについても、「何を今さら … 当たり前じゃないの ? 」という感覚を持っていることは否定できません。
「やるならやればいいさ。でも、きっと失敗するだろうけど … 」なぜ失敗するのでしょう ? どうすれば、ホワイトカラー・エグゼンプションを日系企業にうまく導入できるのでしょうか ? 次回のコラムでは、外資系企業に勤める立場から、その改善策を述べてみたいと思います。
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