( 先週の続き ) 年末に Thomas から指示された人事異動のおかげで、年始はドタバタと始まりました。 Thomas は、「 1 月 1 日付で人事異動実施 ! 」と言っていましたが、実際に業務が始まるのは 1 月 3 日ですから、 1 日に人事異動を出しても意味がありません。と、いうか、私の処理が間に合いません ・・・ (T-T) 。結局、人事異動は 1 月 5 日付で実施しました。
外資の人事異動の特徴として、「社内に ( もちろん社外にも ) 一切公表されない」ということが挙げられます。日本企業の場合には、人事部から「○月○日付人事異動 ! 」みたいな感じで、社内にアナウンスされると思います。異動の対象となる社員は、そのアナウンスを見てから、自分の上司とかに呼ばれて、「タカシくん、営業部に行ってもらうことが決まったよ。頑張ってくれたまえ、ガッハッハ ! 」などと言われビックリ。急いで、業務の引継ぎ資料を作ったり、連日の送別会攻勢をこなしたりすることになります。
一方、ほとんどの外資系企業の場合は、社内で人事異動がアナウンスされるのは、役員クラスのみ。役員以外の「ペーペー」については、だれがどこで何をしているか、把握するのが非常に困難な仕組みになっています。このような仕組みになっている大きな理由として、組織図やチーム構成、人事異動などの情報を公開すると、その情報が外部に流出し、ヘッドハンターなどの引き抜きに使われる可能性が大きいのだとのこと。なので、人事情報として公開されている私の情報は、「金融コンサルティング部門の役員 Thomas 配下のマネージャー奈良タカシ」ということしかわからなくなっています。
では、このようなルールのもと、部門内の人事異動を発令した場合、だれが対象者に連絡するのでしょうか ? それは、上司である私です。私が、部下の一人一人に、「△△さーん、チームが変わりましたよーー ! 」てな感じで、連絡せねばならんわけです。実は、これが結構大変。チーム・メンバーを一同に集めて、「アンタ異動、アンタ残留 ・・・ 」みたいにできれば手っ取り早いのですが、そうはいきません。やはり、個別に一人一人話す必要があるでしょう。しかし、そもそも定時に全員が同じ職場に出社して仕事をしているわけではないため、なかなかつかまらんのですな、これが ・・・ 結局、対象者全員に話ができたのは、 1 月 15 日のことでした ・・・ (T-T)
以上のように見てみると、「 Thomas はスタッフのことも考えているし、それほど自分勝手な人事異動とは思えんが ・・・ 」とお感じになるかもしれません。実はもう一つ、今回の隠れた「目玉人事」があるのです。それは、「 B さんを役員補佐 ( Executive Assistant) に抜擢したこと」でしょう。役員補佐というのは、秘書ではありません ( 秘書は別にいます ) 。役員補佐の仕事は、文字通り、役員である Thomas の仕事の補佐をするわけですが、 Thomas が忙しいときには、その代行をする権限を与えられており、本社とのパイプも太くなるため、出世への近道といわれています。
B さんも A さんと同様、私のチームの優秀なスタッフなのですが、 A さんと B さんの大きな違いは、「 B さんの方が、英語がうまくて、 Thomas に従順である」ということでしょう。この「従順である」というのがポイントです。役員補佐は、いわば Thomas の「分身」なわけですから、 Thomas の意のままに動かなければなりません。自分の意見を持ってはいけないのです。実際、 Thomas には、昨年の 10 月までは C さんという役員補佐がいたのですが、意見が合わないために、 C さんは転職してしまいました。よって、役員補佐は、しばらく空席になっていたのです。
このように、いわゆる外資の人事異動というのは、組織の責任者が、自分が動きやすいような組織を自らデザインして決定します ( もちろん、そうでない所もありますが ) 。決めるのは、組織の責任者 Thomas であって、人事部ではありません ( そもそも、外資の人事部は、人事関係のアドミニストレーション = 事務処理のみ行なう組織で、人事異動の中身には一切タッチしません )。組織を決める醍醐味の裏には、ありとあらゆる責任を、自らがかぶる可能性もあるわけで、ま、なかなか大変な仕事です。
A さんの台頭、 B さんの役員補佐就任 ・・・ お前は焦らないのか、って ? えらく余裕があるじゃねぇか、って ? いやいや、配下スタッフが昇進していくのは、いいことじゃないですか。ハハハ ・・・ いやね、実際のところは、内心穏やかでないのは事実です ・・・ (T-T) でも、チーム人数を減らしてくれって言ったのは私ですから、ある程度は仕方ないですな。これで仕事もやりやすくなったことだし、今年は心機一転頑張りますかな。まだまだ、若いもんには負けませんぞ ! ( って、オッサンかわしは ・・・ )
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