# 15 中国の冠婚葬祭
中国は日本以上に古い伝統と習慣が根付いている社会で、そこに暮らす人たちも日本人以上に縁起を担ぐのが大好きな人たちです。非常に細かく、また多様な中国の冠婚葬祭について、今回は簡単にポイントだけをご紹介しましょう。詳細については拙訳「中国年中行事・冠婚葬祭事典」( 明日香出版 ) をご参照いただければ幸いです。
まず結婚ですが、中国には婚姻条例があり、結婚には一定の健康診断、研修、そして結婚登記と結婚証の取得、という手続きがありました。時代の流れとともに条例は最近改正され、手続きも簡素化していますが、 20 年以上続く「一人っ子政策」は不変で、晩婚奨励は変わっていません。伝統的な結婚式で、新婦の婚礼衣装は紅色と決まっていましたが、最近では日本と同じく純白のウェディングドレスがほとんど主流となっています。結婚式で新郎新婦は互いに「三拝三礼」( 天地父母にお辞儀をする ) を行い、腕を組み交わして「交杯酒」で乾杯します ( 写真参照 ) 。日本では両家の親族は末席に座りますが、中国では壇上に上がり、新郎新婦と並んで座ります。挙式のあとは、友人、親戚たちが「閙洞房」( 新居を騒がす ) と呼ばれる伝統的な祝賀パーティーを開いて結婚を祝います。
葬儀についても、日本とは少し異なる点があります。中国でも 70 歳は「古希」と呼ばれますが、 70 を過ぎた葬儀は「天寿を全うした」という意味で、伝統的に一種のお祝いと見なされます。今でも地方では「紅白喜事」( 結婚と葬儀の慶事 ) という言い方をして、盛大な葬礼が執り行われます。この言葉にもあるように、結婚式のお祝いの色は「紅」、葬式の弔いの色は「白」と決まっています。
中国の葬儀でも日本と同様に「守鋪」 ( お通夜 ) と告別式があり、祭壇に花輪を飾ります。最近では僧侶を呼んで「送三」( 読経 ) も一部に復活していると聞きます。地方に行けば、昔ながらの伝統的な「泣き女」 ( 葬儀で泣くことを商売とする女性 ) もいます。都市では火葬が奨励されていますが、農村に行けば昔ながらの土葬が一般的です。いずれも墓前で紙製の銭、ハリボテの家や車、財物などを燃やして死者に贈り、弔う習慣があります。中国では喪服はまだ一般的ではなく、地味な服装に黒い腕章をつけ ( 披麻帯孝 ) 、親族は暫くの間はずさずに弔中であることを示します。
結婚式にもし呼ばれたら、お祝いをもって出席しましょう。出席を断ることは絶縁をも意味しますから、できる限り出席し、どうしても不可能な場合は早めに明確な理由を示して丁寧に拝辞する必要があります。お祝いの品は新郎新婦との新密度を表すバロメーターですから、失礼の無いように選ぶ必要があります。お祝いとしては飴、ナツメ、落花生など縁起の良い伝統的な祝品、家具、家電製品などもありますが、お金であれば「八」という縁起の良い数字 ( 偶数が良い、 888 元など ) のお祝いが良いでしょう。
葬式に呼ばれたら、日本式の「香典」は一般に不要です。中国の葬儀は党幹部の場合の党葬等を除いて、親戚関係者だけの密葬形式が多く、外国人があまり長時間居座るべき場ではありません。お悔やみと励ましの言葉を告げたら早々に立ち去るべきでしょう。個人的な激励の意味で、遺族にお金を渡すことは差し支えないと思われます。
----------------------------------
■ 新著「
中国とのつき合い方がマンガで3時間でわかる本
」 ( 明日香出版社 ¥1,300 ) 好評発売中 !
| トップページへ戻る |