
外見はとてもよく似ている中国人と日本人。共通した生活スタイルもたくさんある一方で、まったく違う面も少なくありません。大切なことは、こういったお互いの相違を客観的に認識し、互いに尊重しあうことです。
日中のライフスタイルで一番異なるのは食生活でしょう。食生活の面で日本人は非常にせっかちな民族です。インスタント食品に、味付けも淡白な麺類や丼物など簡単な「ファーストフード」も多く、簡単にすませがちです。中国人は対照的で、味の仕込みから数時間をかけて調理し、エンジョイしながらゆったり食事をとります。おせんべいやビスケットなどの乾き物は基本的に敬遠され、冷たい料理は前菜かデザートでしか出されません。やはり揚げ物、炒め物、煮物などのあたたかい料理を大皿に盛って、ワイワイガヤガヤ皆で分けて食べるのが中国式の食生活です。食卓はとてもにぎやかで、会話もはずみます。中国人にとって、食事とは省略することのできない非常に大切な生活の一部なのです。
中国では生もの ( 生野菜や刺身等 ) を食べる習慣はありません。また、中華料理と言っても、 90 年代ぐらいまでの中国には日本のようにスープに麺を入れて食べるラーメンは一般に存在しませんでした。ところが、最近になって日本や韓国など海外から日本式ラーメンが持ち込まれるや否や中国でもラーメンが大ヒットし、今では大学の学生食堂の定番料理にもなっています。このように「そんな料理は中国で受けるハズがない」と言われてきたメニューがここへ来て大ヒットするケースがいくつもお目見えしています。たとえば、野菜サラダ、コーヒー、ハンバーガー、ピザ、カレーライスなどです。その多くは日米など海外留学生が持ち帰った新しい食文化ではないでしょうか。いわば「食わず嫌い」から、「興味と新鮮さ」が受け入れられて大ヒットしているわけです。たこ焼きやおでん、刺身の舟盛りもヒットしています。かと言って、初めて訪日した中国人に、幕の内弁当を出すのはあまりお勧めできません。懐石料理もそうですが、冷たい料理、少ないおかずは、基本的に歓迎されないからです。お刺身もサーモンが好まれ、マグロは人気がありません。この辺りが微妙なポイントです。
生活面で、中国の人々は基本的に石造りの家に住み、西洋式の椅子にベッドの生活です。正座やあぐらをかいて床に座る習慣は無く、まっすぐな膝をしています。最近の高級マンションでは靴を脱いであがる家もありますが、一般的には室内でも土足の生活パータンです。しかし、トイレだけは西洋式ではなく、日本とよく似た和式スタイルです。また、皆で裸になって風呂に入る習慣も無く、基本的には個別の温水シャワーですから、彼らが初めて日本に来たときは、共同風呂は避けたほうが無難で、日本の一般家庭には靴を脱いであがることと洋式トイレの使い方は教える必要があります。
また、中国では握手が基本的な挨拶スタイルで、初対面の人とお辞儀だけの挨拶習慣はありません。こちらから、積極的に手を差し伸べて笑顔で握手するようにしましょう。やたらペコペコする日本人は奇妙な目で見られますから、ご用心。
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執筆者 筧武雄(かけひ たけお) Profile
中国ビジネス・コンサルタント 1981年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。 1984年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。 1988年 海外経済協力基金(現・国際協力銀行)派遣出向。 2001年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。 http://members.aol.com/ChinaInformation http://blog.explore.ne.jp/kakehi/index.php 主な著書 「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」 「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」 「中国投資マーケティング戦略マップ」 「中国進出失敗・トラブル事例集」 「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社) 「中国ビジネスのツボ」(重化学工業通信社)等 他多数
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