
日本に働く中国人ビジネスマン、中国に働く日本人ビジネスマンに、日本と中国のビジネス文化の相違点を挙げてもらうと、そのトップに出てくるのが「日本語は表現が不明瞭で難解、声調が低く、声量が小さい」。それに対して「中国語は表現が直接的で明瞭、声調が高く、声量が大きい」という相違点があります。それほど正反対の言語であるにもかかわらず、なぜか日中双方、お互いに「漢字文化圏」という誤解があり、笑い話にもなってしまうほどのエピソードが数え切れません。いくつか挙げてみましょう。
○ 空港での別れ際に「帰国したら、たくさん手紙を送ってください」「… え !? 」
中国語で「手紙」というのは「ちり紙」「トイレットペーパー」のことです。中国人に変な顔をされても仕方がありません。中国語で手紙のことは「信」といいます。
○ 「この値段は高すぎます。少し安くしてください」「申し出価格は「勉強」します」
日本人は価格が下がったと喜びそうですが、中国語で「勉強」とは無理、不可能を強いるという意味です。この商談はおそらく不成立でしょう。
○ 「今は春節で切符が「緊張」しています」「え ? … どういう意味 !? 」
中国語で「緊張する」とは「不足している、足りない」という意味です。仕事が忙しいことも「仕事が緊張している」とよく言います。
○ かつて田中角栄首相が毛沢東主席に「先の戦争では中国国民の皆様に大変なご「迷惑」をおかけしました」と話して、中国側に意味が通じず、あとで毛沢東主席から中国の古典を漢字の勉強用にとプレゼントされたというエピソードもあります。
中国語で「迷惑」とは「相手を惑わせる」ことをいうのです。
○ この飛行機は 10 分後に「降落」致します … 昔は中国民航でこんなアナウンスもありました。日本人乗客はビックリしたものですが、これは「着陸」という意味です。
○宴会の席上で堂々と「この女性は私の「愛人」です」「まぁ中国人とはなんと大胆な人たちだ」 … これも笑い話ですが、中国語の「愛人」とは配偶者のことです。
ちなみに自分の妻のことは「老婆」と呼びます。
| 中国語と日本語の「同音異義語」:
「大丈夫」=大男、「丈夫」=夫、「火車」=汽車、「汽車」=自動車、「走」=歩く、「東洋(人)」=日本(人)、「人間」=人と人のあいだ、「検討」=政治的に総括批判する、「整頓」=粛清する 等々 |
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執筆者 筧武雄(かけひ たけお) Profile
中国ビジネス・コンサルタント 1981年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。 1984年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。 1988年 海外経済協力基金(現・国際協力銀行)派遣出向。 2001年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。 http://members.aol.com/ChinaInformation http://blog.explore.ne.jp/kakehi/index.php 主な著書 「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」 「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」 「中国投資マーケティング戦略マップ」 「中国進出失敗・トラブル事例集」 「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社) 「中国ビジネスのツボ」(重化学工業通信社)等 他多数
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