
中国の日常生活でどんな言葉が頻繁に使用されるかを知ることで、国民性を知ることもできます。いくつか代表的な日常慣用句を挙げてみましょう。

●没弁法 ( Mei Banfa )
英語で言えば「 No way 」つまり、どうしようもないという意味です。いろいろな場面で多用され、いかにも諦めの早い国民性のように思えますが、もしビジネスでこのセリフが中国側から出てきたら、決して流されることなく、「必ず何か良い解決策があるはずだ。一緒に努力して見つけよう」と答えるように努めてください。
●没問題 ( Mei Wenti )
これは日本の漫才でも「モウ・マンタイ」 ( 広東語の読み方 ) と流行語にまでなった有名な言葉です。タイでは「マウ・ペンライ」とも言われ、英語に訳せば「No Problem」つまり「問題ない、大丈夫」という意味です。
ろくに調査も検討もせず、甚だしくは権限の無い人が無責任にこの言葉を堂々と発することすらあるために、気軽に信用した日本人が右往左往させられるシーンは枚挙のいとまがありません。もしビジネスの場面でこのセリフが中国側から出たら、「問題が無いはずはない。もっと時間をかけて細かく、具体的に説明してください」と答えてください。
●没関係、無所謂 ( Mei Guanxi, Wu Suowei )
直訳すれば「関係ない」、「放っておけばよい」という意味ですが、「かまいません」と相手に許しを与える場面でよく使われる慣用句です。たとえば満員電車の車中で足を踏まれたとき、痛くても「いいですよ」と答えるようなシチュエーションです。英語に訳せば「You are welcome」が近いと言えるでしょう。
●不好意思 ( Buhao Yisi )
日本語の「すみません」と言う場面とほぼ同じ状況でよく使われる慣用句です。日本語と同様に「ありがとうございます」と丁寧に謝意を表する意味で、相手から何かしてもらったとき、贈り物を頂いたときなどに、この言葉を返せばスマートな会話になります。
●走后門、拉関係 ( Zou Houmen, La Guanxi )
これは「裏口から入る」、「コネ(人間関係)を使う」という意味です。ちなみに、賄賂を贈ることを俗に「打関節」( Da Guanjie ) つまり、人の弱点である「関節を叩く」と表現することもあります。
●差不多 ( Cha Buduo )
これは「それほど差が多くない」、英語に訳せば「Not so different」という意味です。一般に中国人はビジネスの場ではイエス、ノーを極めて明瞭に語りますから、もし交渉の場面で中国側からこのセリフが出てきたら、要注意と考え方がいいでしょう。
意味が転じて、満腹時など、十分に満ち足りている状況で、さらに追加を聞かれた際に「もう結構です」と答える場面でも、この言葉がよく使われます。
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執筆者 筧武雄(かけひ たけお) Profile
中国ビジネス・コンサルタント 1981年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。 1984年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。 1988年 海外経済協力基金(現・国際協力銀行)派遣出向。 2001年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。 http://members.aol.com/ChinaInformation http://blog.explore.ne.jp/kakehi/index.php 主な著書 「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」 「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」 「中国投資マーケティング戦略マップ」 「中国進出失敗・トラブル事例集」 「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社) 「中国ビジネスのツボ」(重化学工業通信社)等 他多数
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