社会の「変化」を捉えるアンテナを張ろう。
他者と比較したときの自分の位置を常に把握しよう。
日本についてもっと知ろう。
私がこの1ヶ月を通して得た気づきは、以上の3点です。過去の優れたビジネスプランを読んだり、サマリーの書き方やインタビューの仕方、アンケートの作成方法など、具体的なハウツーももちろん学びましたが、上記3点が、今年最後の講義を終えての率直な感想です。
1.社会の「変化」を捉えるアンテナを張ろうということ。
ソーシャルメディアモニタリングという講義では、まず講義の最初に、ソーシャルメディアに関する様々な「数字」を私たちは見せつけられました。アメリカではどれだけのカップルがソーシャルメディアを通じて出会っているのか、一日にいったい何人がブログやツイッターで何かを発信しているのか、facebookはこの数年でどれだけの利用者を増やしたのか・・・。そして疑いようのないそれらの数字は、ソーシャルメディアが一時的な流行ではないことを、それを見た誰もに確信させるものでした。最も印象的だったのは、「もはやわれわれが商品やサービスを見つけにいく必要はない。ソーシャルメディアを通じて、彼らがわれわれを見つけるのだ」というフレーズでした。いまや、企業もソーシャルメディアの影響力に着目し、オンラインで自社ブランドについて誰に何を語られているかに目を光らせているし、ソーシャルメディアを使った採用活動をする企業も増ました。そんな社会の変化をいち早く捉え、企業の経営戦略に取り込んでいく、そんな先見性も求められていくことを、改めて思い知らされました。
2.他国や他社と比較したとき、自分のポジションがどこにあるのかを常に把握しようということ。
JMECの講義では、講師の方が外国人(但し日本について熟知した方ばかりですが)であるためか、各々の内容で日本と他の国とを比較した分析が数多く成されていました。例えば、私も大好きなスウェーデンブランド、IKEAやH&Mを日本のマーケットに参入させて成功をおさめた張本人。彼の講義では、スウェーデン・アメリカ・日本のビジネスマンの平均的な帰宅時間の比較をしたり、日本の人口ピラミッド(少子高齢化)、FDI、定年年齢の引き上げ、円高、終身雇用制度の廃頽、ころころ変わる首相の顔ぶれ、生産性の向上と労働力の輸入など、他国と比較した場合の日本特有の環境に着目していました。また、別のサプライチェーンの講義においても、日本、アメリカ、韓国で比較すると、日本は圧倒的にメーカーとの直接取引が少なく、商社などの業者経由での取引が多い点が具体的な数値(パーセンテージ)で指摘されていました。
日本の中だけで完結してしまえば、自分たちが今どこのポジションにあるのかがわかりえない。競合他社と比較したときの自社のレベルの把握も然り。だからこそ、講師の方はみな他国と日本との比較をされていたのだと思います。だとすれば、私達が実際にビジネスプランを作成し始める前に、比較対象を持った相対的な分析が不可欠であるということ示唆している気がしました。
おそらく、会社、ビジネスにおいてだけでなくて個人をとらえたときも同じなのでしょう。かつてから終身雇用が常識であった日本では馴染みにくい考え方なのかもしれませんが、マーケットの中で自分の市場価値はいかなるものなのか、それもグローバルなマーケットで海外の優秀な若者たちと比較してみたときにどうなのか。じゃあそれを考えたときに、自分は今何をすべきなのか。絶対的な価値観が必要である前提は言うまでもありませんが、自己満足でもいけない。相対的に見た場合のポジショニングを常に見極めて自分に付加価値をつけていきたい。JMECがそのための無二のチャンスであるといま私は確信しています。
3.日本についてもっと知ろうということ。
最後は、日本についてもっと知ろう、と強く感じた点。12月3日、今年最後の講義は営利目的のビジネスではなく、あるNPOで活躍する社会起業家によるもので、フードバンクという概念を日本に取り入れた方でした。日本とアメリカとのNPOへの認識の違い(日本:お金儲けはしてはいけない、ボランティアとほぼ同義のイメージ←→アメリカ:活動を通じて得られた利益は次なる事業へ投資されていくという大きな違い)へは関心を持っており、個人的には最も楽しみにしていた講義でした。フードバンクとは、規格外の食品や、包装の傷み等によって市場に流通させることのできない食品を企業から引き取り、生活困窮者など支援を必要とする方たちへ無料で届ける仕組みのこと。安全性の保証などの問題で難しいとされていたが日本でも定着しつつあるようです。
日本国内における貧困、特にホームレスの問題に、根本的な解決策ではないにせよ、需要と供給とがマッチするやり方で取り組むアメリカ人を前にして、日本人である私は、不思議な感覚にとらわれました。日本の問題に、日本人ではなく、ひとりの外国人がリーダーとして真剣に対処しているという事実に少なからず「恥ずかしさ」をおぼえたのです。
もともと、世界の貧困問題には関心を持っており、学生時代には海外でボランティアをおこなったり、国連のニューヨーク本部でインターンシップをした経験があります。国際平和への貢献の一翼を担いたいとの志を持って、世界中に社会インフラを納める今の会社へ入社。しかし、日本「国内」の問題に対して我が事として危機意識を持っていたか。外にばかり目を向けていなかったか。そんな自省の念に駆られました。
もっと、日本に関心を持つ。日本について知る。そのことが、今回JMECを通じて、日本のマーケットへある商品やサービスを参入あるいは拡大させたいと思うクライアントに対して優れた提案をするための一助となるはず。知らなければ、想像力を働かせることができない。想像力を働かせられなければ、問題意識すら生まれない。微力ながらも、日本人としての私にできることを、来年の初回講義までに、真剣に考えたいと思います。
社会の「変化」を捉えるアンテナを張ろう。
他者と比較したときの自分の位置を常に把握しよう。
日本についてもっと知ろう。
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プロフィール:N・F
大手メーカ調達部門に勤務する26歳。学生時代は海外インターンシップやボランティアなどでバングラデシュ、フィリピン、スリランカ、トルコなどアジアを中心に様々な国を歩き回る。入社後4年間は工場の調達部門でバイヤーとして部品・材料の価格交渉やValue Engineering、納期管理等の実務に携わる。2011年夏に東京本社に異動、経営幹部とグループ全体の調達戦略を議論する過程で、工場での一バイヤーとしての視点ではなく、経営者のマクロ的視点の必要性を感じ、JMECへの受講を決めた。 |
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