
皆様ご無沙汰しております。業務の関係でコラムを執筆する時間を取れなかったため、しばらくお休みさせていただきました。
この半年ほど人材関係の業務に割く時間が殆ど取れませんでしたが、人材需要に関する情報収集を再開しました。日本の企業の人材需要は相変わらず強いと思われる一方で、少し気になる変化も起こってきているようです。
気になる変化とは、サブプライムローン問題、原油をはじめとする原材料や食料価格の高騰、円高等の複数の要因により、日本企業の業績の先行きが不透明となってきていることです。また、これに日本の政治の不安定要素も加わり、これが人材の需要にも影響し始めていると思われることです。
例えば、1 年ほど前は IT 人材の需要はかなり高く、日本人の若手 IT 技術者の確保は非常に難しかったのですが、最近はその確保も可能となりつつあるようです。このためか、私の知っている中国人 IT 技術者を採用している企業の中には、IT 関係の受注の減少により仕事がアサインできない技術者が増加し、中国で採用して日本に連れてきた技術者の契約の延長を行わないケースも増えています。
このような状況が一時的なものなのか、今後しばらく続くのかはわかりませんが、現在、就職活動や転職活動を行っている皆さんは日本の企業でこのような変化が起こっていることを意識しておく必要があるでしょう。
最近、転職希望の中国人女性と面談を行いました。面談した印象は非常に優秀で、日本語のレベルもかなり高い人です。現在は金融関係の会社に勤務していますが商社への転職を希望しています。日本の大半の商社は中国関係の業務を行っており、すぐに転職ができるのではないかと思いましたが、現時点では転職先が決まっていません。
上場企業から中小規模の複数の商社に紹介したのですが、その内 1 社は私の大学のクラスメイトが部長を務める会社でした。彼の話では、既に社内に複数の中国人社員が在籍しており、優秀な人であっても現時点ですぐに採用となる可能性は低いとのことでした。
日本企業に勤務する中国籍社員の正確な数はわかりませんが、中国が日本の最大の貿易相手国であることから、中国関連の事業を行っている会社には既に相当数の中国人社員がいるのは間違い無いと思われます。
つまり、今後の就職・転職の際は中国人同士の競争が激しくなると思ったほうが良いでしょう。
この先、日本企業の業績がどのように推移するかわかりませんが、仮にマイナスの方向に進んだとすると、企業は人員の抑制、すなわち採用数の抑制を行うことが予想されます。これによって外国人社員の雇用にも当然影響が出てくることになります。日本は少子高齢化が進んでいますので、大きな流れとしては外国人社員の活用は進むと思われますが、一時的に停滞する可能性は否定できません。
そのような状況で、日本で希望する会社に就職するには、やはり日本人や他の外国人との違いをアピールできる何かを身に付けておくことが重要となります。まず、事務系・技術系に共通するのは、高いレベルの日本語能力ではないかと思われます。自分の能力や可能性を企業の採用担当者に的確にアピールするには、やはり一定レベルの日本語能力が重要となります。
過去に私が企業に紹介して就職できた中国人の皆さんは、全員がかなり高い日本語能力を有している人たちです。中には日本人の大学生よりも日本語が上手ではないかと感じた人もいました。
もう一つ重要なのは、自分の専門性を高めておくことです。現在、大学等で学んでいる留学生の皆さんであれば、学部や研究室で学んでいることを掘り下げておくことを意識してください。また、自分の知識や能力を客観的に判断できる資格や語学のスコアを取得しておくことも有効であると思います。
既に日本で就職しており、今後転職を考えている人は、現在の仕事とそれに関連する業務の実務知識やスキルを高めておくべきでしょう。
このコラムも 25 回目となりましたが、今回を最終回とさせていただきます。
これまで私の中国での勤務経験や、中国人の皆さんを企業に紹介する過程で得た情報を私なりに整理して文章にしてきました。コラムを読んでいただいた皆さんの日本での就職や転職にどれだけ有効な情報を提供することができたのかわかりませんが、多少でもお役に立てたのであれば幸いです。
これまで私の拙いコラムをお読みいただきありがとうござました。皆さんの今後のご活躍を祈念してご挨拶に代えさせていただきます。
|
執筆者 天田 恭司 Profile 1980 年 一橋大学社会学部卒業、日本電気株式会社 (NEC) 入社。人事第二部海外人事課などを経て、1988 年 初代の北京人事総務駐在として北京駐在員事務所に赴任。1994 年に帰国、人材開発部国際人事部人事課長、NEC ラーニング株式会社の経営研修本部グループマネージャーなどを歴任。 中国勤務経験を活かすべく、2006年に株式会社国際交流センターに転職。営業推進部長として既存事業の新規顧客開拓を行う営業全体を統括する傍ら、中国人材活用ビジネスの立ち上げも受け持つ。本コラムでは、日本企業に直接ヒアリングを行える立場から、企業のリアルな本音やニーズを紹介していく予定。 ■ コラムに関するご意見・質問・転職体験談はこちらへお送り下さい ! Mail to: marketing@daijob.com |
| トップページへ戻る |