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# 15  中国人留学生の就職事情


~ 留学生の状況 ~


第 6 回のコラムで日本企業が求める人材と留学生の就職事情についてご紹介しましたが、今回は日本における留学生の状況を数字で確認し、改めて中国人の皆さんの日本での就職事情について考えてみたいと思います。


留学生数は 2006 年 5 月現在のものです。また、「留学生」とは、日本の「出入国管理及び難民認定法」で定める「留学」の在留資格 ( いわゆる「留学ビザ」 ) により、日本の大学 ( 大学院を含む ) 、短期大学、高等専門学校、専修学校 ( 専門課程 ) および日本の大学に入学するための準備教育課程を設置する教育施設で教育を受ける外国人学生を指しています。


1)国別留学生数

国名留学生数比率前年比増減増減率
中国74,29263.0%-6,300-7.8%
韓国15,97413.5%+368+2.4%
その他
27,66123.5%+2,047+8.0%
合 計*
117,927100.0%-3,885-3.2%

*内、106,102人が私費留学生


2)専攻別留学生数

専攻留学生数比率
社会科学・人文科学74,10862.8%
工学・理学19,21616.3%
その他24,60320.9%
合 計117,927100.0%

*出典:独立行政法人日本学生支援機構ホームページ


この数字からわかるように、国別の留学生数は中国が群を抜いて多く、その比率も 63% と第二位の韓国を大きく引き離しています。一方、留学生の専攻を見ると、日本の企業では技術者 ( 工学・理学専攻 ) の需要が非常に大きいのですが、全留学生の 60% 以上が社会科学・人文科学の専攻となっています。


少し気になるのは、中国人留学生数だけが昨年大幅に減少している点ですが、これについては理由が不明です。


中国人留学生の多くは日本での就職を希望するのではないかと思います。中国人留学生の内、何人が卒業後に日本で就職しているのか、また、日本で就職した中国人留学生の専攻が何であったかがわかるデータはありませんが、これらの数字から中国人留学生の皆さんの日本における就職事情もある程度推測することができるのではないかと思います。


~ 日本における中国人技術者の人材需要 ~


私が中国人の人材紹介という仕事に携わってからまだ 1 年未満ですが、日系企業だけでなく、外資系企業からも中国人材の紹介依頼を受けています。しかしながら、これまでの人材需要の大半は技術者であり、営業職や事務職の需要は技術者と比べると明らかに少ないのが実情です。


第 6 回のコラムでご紹介したとおり、IT 企業の人材需要をヒアリングした結果で最も需要が大きいのがソフトウェア技術者とネットワーク技術者でした。この分野の人材の需要は今後しばらく続くとの見方が大勢を占めているようです。


中国でこれらの分野の実務経験のある留学生は、多少年齢が高くても即戦力としての活躍が期待できることから、就職活動を行う際にはかなり有利であるようです。実務経験が無い場合、企業は大学や大学院での専攻、潜在能力の高さ、適性の有無等を総合的に判断して採用を決定することが多いのですが、一般的には電気・電子・情報・通信を専攻した人を求める傾向が強いようです。今後、留学を希望する人や、新たに大学に入学する人はこのような状況も念頭において専攻を決めると良いでしょう。


~ 日本における技術者以外の中国人材需要 ~


日本企業では技術者の需要が高いにもかかわらず、留学生の 60% 以上が社会科学や人文科学 ( いわゆる「文系」 ) を専攻していますので、企業の人材需要と留学生の実態には若干の乖離が生じているように思われます。


しかし、幸いなことに、中国は日本の最大の貿易相手国となり、両国政府も経済交流の一層の推進を目指していることから、中国事業に注力している企業では、今後も中国における現地法人の設立や営業活動の強化を図るのは間違いないと思われます。


このような環境下では、既に複数の中国人を採用している企業が今後も中国人の採用を継続する可能性が高いと思われます。また、今後、新たに中国進出を予定している企業が中国人留学生を採用する傾向も継続すると思われます。文系の皆さんの人材需要もしばらくは続くでしょう。


但し、既に相当な人数の中国人が日系企業に就職していること、また、日本企業が中国事業戦略の見直しを進め、現地化推進のために中国における人材の確保に重点を置き始めていると思われる事象も見られるようになってきました。従って、今後、日本での就職をめぐる中国人留学生の競争は徐々に激しくなることが予想されます。


このような状況を踏まえると、文系の皆さんが日本で希望する企業へ就職するためには、やはり、他の応募者との違いをアピールできる「何か」を身に付けておくことが重要となってくると思います。


具体的には高度な日本語能力、日本人以上の英語力等が上げられますが、更に、自分の強みとなるものを身に付けて、それをアピールできるようにしていただきたいと思います。

執筆者 天田 恭司  Profile

1980年 一橋大学社会学部卒業、日本電気株式会社(NEC)入社。人事第二部海外人事課などを経て、1988年 初代の北京人事総務駐在として北京駐在員事務所に赴任。1994年に帰国、人材開発部国際人事部人事課長、NECラーニング株式会社の経営研修本部グループマネージャーなどを歴任。

中国勤務経験を活かすべく、2006年に株式会社国際交流センターに転職。営業推進部長として既存事業の新規顧客開拓を行う営業全体を統括する傍ら、中国人材活用ビジネスの立ち上げも受け持つ。本コラムでは、日本企業に直接ヒアリングを行える立場から、企業のリアルな本音やニーズを紹介していく予定。

■ コラムに関するご意見・質問・転職体験談はこちらへお送り下さい ! Mail to: marketing@daijob.com

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