
- 複数の候補者の面接で -
この半年で大勢の中国人を企業に紹介してきましたが、最近、ある企業で 1 名の募集に対して 3 名の応募者があり、全員の一次面接に同席する機会がありました。
業務内容は、その会社の中国の工場から受け入れる研修生の対応です。研修生が全員日本語のできない若い中国人女性であることから、「中国語と日本語ができること」が応募の条件で、出来れば女性の方を探していました。中国語のできる日本人も対象でしたので何人かに紹介しましたが、最終的な応募者は全員が中国人留学生となりました。
募集は1名のみですので、他の2名は残念ながら不採用ということになりましたが、3名の候補者と私の面接前のやり取りで、面接官の印象、採用・不採用の要因等について私の見方をご紹介したいと思います。
応募者を A ・ B ・ C さんとして、最初に簡単なプロフィールをご紹介します。A ・ B ・ Cは面接の評価の順位で、採用となったのは A さんでした。
A さん:修士課程終了後、研究生として大学で勉強を継続しながら就職活動中
B さん:修士課程終了後に日本企業に就職したが、労働条件に問題が有り、
また、自分の希望する仕事ではなかったため転職を希望
C さん:大学卒業後、アルバイトをしながら就職活動中
まず日本語ですが、3 名とも日本語検定 1 級以上の能力があり、日本企業での勤務に問題のないレベルでした。但し、電話で話をする時はそれほど大きな差は感じませんが、e-mail でのやり取りを通じて、日本語を書く能力は A さんが最も高いと感じていました。A さんのe-mailの日本語は、平均的な日本人よりも上手で、特に感心したのは「敬語」です。最近の日本の若者の中には敬語を正しく使えない人(敬語の使い分けができない人)も多いのですが、A さんは e-mail できちんと敬語を使っていました。
- 敬語はビジネスマンの基礎知識 -
ここでちょっと日本語のおさらいをしておきましょう。日本語の「敬語」は、外国人にとってなかなか理解が難しいと思いますが、日本のビジネスマンの基礎知識の一つです。日本で就職しようとする中国人の皆さんには、敬語もきちんと理解しておいていただきたいと思います。
敬語は一般的に「尊敬語」、「謙譲語」、「丁寧語」の 3 種類に分かれます。ここでは詳細の説明はできませんが、基本的な事項は押えておきましょう。
尊敬語: 居る→「いらっしゃる」等、目上の人の動作に対して敬意を表す言葉
謙譲語: 行く→「おうかがいする」等、自分や身内を低めることで相手を敬う言葉
丁寧語: 「です・ます・まいります」等、言葉使いを丁寧にして美しくする言葉
皆さんが日本語を勉強した時にも必ず敬語を学んでいるはずです。昔使った教科書や参考書で是非確認しておいて下さい。
- 3 人の候補者に対する私の印象 ~面接前の私とのやりとりで~ -
履歴書の内容と事前の電話・e-mail によるやり取りを通じて、私自身も 3 名の候補者のある程度のイメージを頭の中に描いていましたが、やはり日本語を書く能力の高かった A さんの印象が最も強いものでした。
B さんは日本語を書く能力は A さんよりも若干低いものの、特に気になる点は殆ど無く、プラスの印象を持ちました。
C さんは私が e-mail を打ってもなかなか返信がなく、殆どが私から携帯電話に連絡をしていました。面接日時の連絡を e-mail で行った際に、受信確認のための返信を依頼したにもかかわらず返信が無く、この時も携帯電話で受信確認を行いました。タイムリーなコミュニケーションが図れないというのは会社生活でも問題になりますので、印象としてはマイナスでした。
- 3人の候補者に対する面接官の印象 -
3 名の面接は 3 名の面接官により同じ日に行われました。A さんは日本語能力の高さもあって、面接は終始順調でした。何としても就職したいという強い意欲が私にも伝わってきましたし、面接官も A さんとのコミュニケーションを楽しんでいるようにも思えました。話が弾んで、面接は予定時間を20分近く超過しましたが、面接官の全員が高い評価をつけました。
B さんの面接もスムーズでした。誠実で穏やかな印象を与え、総合評価はかなり高かったのですが、残念ながら A さんには少し及びませんでした。もし募集人員が 2 名であったら多分採用になったのではないかと思います。
C さんですが、面接前に私が覚えた不安に近いものを面接官も感じたようです。受け答えは、明るくはきはきとしていたのですが、面接官の質問に対する答えが少しピント外れであり、全般的に「軽い」という印象を与えてしまったようです。 A さん・ B さんとはかなり差のある評価だったようです。3 人の中では日本の滞在期間が最も短かったので、日本語のレベルの差が結果に現れてしまったのかもしれません。
A さんはその後に行われた役員面接も見事にクリアーして内定を貰うことができました。B さん・Cさんは残念ながら採用に至りませんでしたが、2 名とも私の人材データベースに登録されています。ご縁があって応募していただいた方ですので、今後、他の人材募集があった時の紹介候補者とさせていただきたいと思います。
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執筆者 天田 恭司 Profile 1980年 一橋大学社会学部卒業、日本電気株式会社(NEC)入社。人事第二部海外人事課などを経て、1988年 初代の北京人事総務駐在として北京駐在員事務所に赴任。1994年に帰国、人材開発部国際人事部人事課長、NECラーニング株式会社の経営研修本部グループマネージャーなどを歴任。 中国勤務経験を活かすべく、2006年に株式会社国際交流センターに転職。営業推進部長として既存事業の新規顧客開拓を行う営業全体を統括する傍ら、中国人材活用ビジネスの立ち上げも受け持つ。本コラムでは、日本企業に直接ヒアリングを行える立場から、企業のリアルな本音やニーズを紹介していく予定。 ■ コラムに関するご意見・質問・転職体験談はこちらへお送り下さい ! Mail to: marketing@daijob.com |
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