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# 4  中国人から見た日本企業・日本人の問題点


- 中国人から見た日本企業・日本人の問題点 -


これまで日本人と中国人の勤労観の違いや日本企業のマネジメントの特徴、日本がハイコンテクスト文化の国であること等を紹介してきました。今回は日本人と中国人が一緒に仕事をしている日系企業で、これらの違いや特徴が具体的にどんな問題として表面化しているかをご紹介します。以下は、中国のある日系企業の中国人若手管理職が提起した、日系企業の問題点とそこで勤務する日本人社員の問題点です。これは、心弦社代表の田中則明氏が、彼らに対して実施した研修の中で提起されたものです。


【会社全体についての問題】


・権限と責任の所在が不明確で、意思決定に時間がかかり過ぎる。
・計画を重視し、結果を軽視している。
・現地社員を長期的に育成する制度が無い。
・会議がやたらと多く効率が下がるばかりか、結果が出ることが少ない。
・会議の内容はその殆どが上から下への指示である。
・ローカリゼーションが欧米企業に比べて進んでいない。
・会社の管理が個人の裁量に任されている。
・中国人社員の待遇が欧米企業に比べて悪い。
・平均主義が目に余る。
・与えられた権限が小さく、手順がやたらと多い。
・雰囲気が重苦しく、年功序列が目に余る。
・部門間のコミュニケーションがよくない。
・給料は安いが、ノルマはきつい。
・人事評価や昇格基準が合理的でない。
・現地社員の発言権が小さい。
・意見具申をするチャンネルが無い。
・仕事に対する要求が厳しく、しばしば家庭や個人の時間を犠牲にすることが求められる。
・全体を重視するあまり、個人の特質や個人の持ち味を軽んじ易い。
・殆どが日本の方式をそのまま取り入れている。
・会社の組織がクルクル変る。
・社員の等級間の賃金格差が小さい。
・日本の仕事のやり方は杓子定規で、柔軟性がない。中国人社員は目標に到達するためのもっと良い方法があると考えている。


【日本人社員についての問題】


・中国人社員を信用していない。
・特権意識を持っている。
・現地幹部社員に対して優越感を抱いている。
・行動が非常に短期的である。
・中国人社員に対する権限の与え方が不十分である。
・中国の国情に疎く、中国文化に対する理解が不足している。
・日本人幹部が遅くまで残業するため、中国人社員が時間通りに退社しにくい。
・中国事業の主体は誰であるかについて理解が不足している。
・現地社員の能力評価が正確に出来ないため、業績評価も出来ない。
・フレキシビリティーに欠ける。
・コミュニケーションが一方通行である。
・中国のマーケットを知らず、日本のやり方をそのまま当てはめようとする教条主義的傾向が強い。
・最終的な判断において、現地社員の意見を取り入れることが少ない。
・独断専行で、自分と違った意見には耳を貸さない。
・サービス残業が当たり前で、時としてそれが人事考課の基準とされている。
・優越感がひどく強く、中国文化を学ぼうとしない。
・中国語を学ぼうとしない。
・自分と異なった意見に耳を貸さない。
・部下への指示が不明確である。
・仕事のやり方が杓子定規である。
・中国人社員を軽んじている。
・本音を言わない。


- 中国人自身が感じている中国人の問題点 -


日本企業、日本人に対する問題が山ほど提起されましたが、同じ中国人管理者に、中国人自身の問題を挙げてもらったところ、意外に多くの問題が出てきたようです。


・時間を守らない。
・仕事を大事と考えない。
・職業モラルが低い。
・チームスピリットがなく、会社全体の戦略を重視しない。
・個人の利益を強調し、全体の利益を考えない。
・自己意識が強すぎ、自己中心的である。
・就業規則に対する意識が低い。
・要求は高いが責任感は希薄である。
・計画性が無い。
・日本語、日本文化、日本的管理方法に対する理解が足りない。
・使命感に欠けている。
・仕事上の自分のミスに関して、反省の意識が低い。
・モティベーションが低い。
・定着率が悪い。
・会社への帰属感が希薄である。
・会社に対する忠誠心が不足している。
・団体精神に欠け、自分勝手である。
・会社全体の戦略に対する理解が足りず、自分の部門の利益のみ考えている。
・短期的な行動が目立つ。
・「そんなの当たり前」で済ますことが多く、データを集め、原因分析や再発防止策を考えたりしようとしない。


この資料を最初に見た時に、これはてっきり日本人が提起した中国人の問題点だと思ったのですが、中国人自身によるものだと知ってちょっと驚きました。自分と異なる考え方や仕組みに対する問題を提起するのは比較的簡単ですが、自分自身の問題点をこれだけたくさん提起できることに感心したほどです。少なくとも日本人よりも、自分達を客観的に捉えていると思いました。


次回は中国人と日本人の間に存在する多くの問題をどう解決したらよいかを考えてみたいと思います。


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執筆者 天田 恭司  Profile

1980年 一橋大学社会学部卒業、日本電気株式会社(NEC)入社。人事第二部海外人事課などを経て、1988年 初代の北京人事総務駐在として北京駐在員事務所に赴任。1994年に帰国、人材開発部国際人事部人事課長、NECラーニング株式会社の経営研修本部グループマネージャーなどを歴任。

中国勤務経験を活かすべく、2006年に株式会社国際交流センターに転職。営業推進部長として既存事業の新規顧客開拓を行う営業全体を統括する傍ら、中国人材活用ビジネスの立ち上げも受け持つ。本コラムでは、日本企業に直接ヒアリングを行える立場から、企業のリアルな本音やニーズを紹介していく予定。

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