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上海サバイバル通信

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# 46  上海の住宅事情


先日本社から出張して来た役員が、上海浦東にそびえ立つ高層マンション群を見つめながらポツリと呟いた「侘びさびがない …」


その役員は最近仕事で京都に滞在することが多く、京都に脈々と受け継がれている美意識に痛く感銘を受けているとの事で、上海の豪華絢爛な高層マンションには派手さとインパクトは感じるものの、深みや普遍的な美を感じられないということだった。


確かに寝て起きたら新しいビルが増えているというほどのスピードで、止まることを知らず建てられるビル。「深み」なんて考えている暇はないのだろう。


私も住宅については、上海に来てからずっと気になっていたことがある。
前にも冬の寒さ、夏の熱さを際立たせている原因の 1 つとして紹介したことがあるが、それは住宅の「内装」があまりにも簡素ということ。


レンガを積み上げ、セメントを塗り、白壁を施した外壁と内壁は同じ 1 枚の壁。床も同様に、コンクリの上に直接張られた板。日本の家の床下ような空間がなく、断熱材が入る隙間がない。こんなに建ち並ぶほどの住宅を建てていながら、どうしてそこを取り入れないのか、不思議でならない。


よって、冬になれば室内の結露や湿気などに悩まされる。床からの冷気が着実に部屋のぬくもりを奪う。どんなに暖房器具を駆使したところで日本の家のように暖まることがない。機密性は殆どなくどこかしら隙間があり、窓を閉め切った部屋でも、風を感じる作りになっている。


日本語で「衣食住」と言うように、日本人は高度経済成長の際、文明の発展を誇示する大衆は何より「衣」を気にした様で、見栄っ張りな民族だと聞いたことがある。今日本は十分な成長を遂げ、本当に大切なのは「食」であり「住」であると気づいてきたと思う。


中国は今、外からのバッシングもあり「食」には少し関心が出てきたようだ。中国人でも裕福な層は近所の市場での買い物を嫌い、外国の食品が置いてあるスーパーで有機野菜を買う人が増えているらしい。例えその野菜が市場の 5 倍以上の値段で売られているものだとしても、体の中に入るものだからと考えていると。


「衣」に関してはここ 2、3 年で、目を見張るほどの違いを目の当たりにしている。「真冬にスカートを穿くのは日本人の女の子だけだ。寒いのに馬鹿みたいだ。」といわれていた 5 年前。今、上海の街を歩く女の子は、ホットパンツに生足ブーツである。化粧っ気ゼロだった彼女達の目は、真っ黒なアイラインでしっかり囲まれ、その目ヂカラは日本人の女の子に負けず劣らず。少し前までは「日本人と中国人を見分けるのは得意よ。」と言っていた私も、最近ではちょっと難しくなってきた。ブーツで内股、猫背で歩くその姿が全く日本人。甘やかされて育った一人っ子の目は、中国人のそれらしからず、ヤワで優しげに見える。


私はこれらを役員に力説し「最後に「住」が追いつく日ももう少しです。」と言った。
「しかしながら「京都の美」にはそれはとてもとても無理ですよ。だって上海の歴史 200 年って言われているんですから、大目に見てください。」となぜか庇ってみたりして。


そう話しながら見るマンション群、確かに薄っぺらい感じの建物。


私の友人が「仕事もそうなんだよねー … 」と漏らしていたことは、一部のだけであって、一般的ではないとしておこう。私の会社の中国人スタッフは本当によく仕事をする。しかも一生懸命で丁寧。私は見習うことばかりなのだから。

執筆者 神田あさか

福岡県出身。大学卒業後、バブル経済後の不景気な日本で広告代理店の営業として働いていたが、「あと少し早く生まれていれば!!」と思い余り「バブルを感じてやる?!!」の一心で上海へ。現在上海の日系IT企業にて勤務。日夜、上海の活気ある街や人間に刺激され「私も一旗上げてやろう!」と上海ドリームを描いている最中

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