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上海サバイバル通信

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# 42  人材=人財

先日、人材会社を経営されている中国人の社長さん (王さん) とお話する機会がありました。そのお話の中で、未来の中国が楽しみになるようなことがあったので、ちょっと紹介致します。


最近日本では中国についての良いニュースを探すのは難しいのではないかと思うほどで、特に食品関係においてはひどいことばかり。それだけでなく、格差社会や、マナーの悪さ、などなど… 悪いことを挙げられるときりがないほどです。
そんな風に言われている中国ですが、実は私には密かに信じていることがあります。


そのうち今の「「格差社会」が、中国人の多くの人が理想とした「万民平等の社会」になるのではないかと。少しでも近づくのではないかと、希望も込めてそう思っています。


大きな声で言うと笑われるのですが、私は上海で、将来を担う 1200 人以上の学生を指導してきて、本当にそう感じています。今の 20 代前半がいつも社会のことを考えているはずはないのですが、小学校中学校で思想教育を受けてきた彼らは、何よりも、とても純粋な部分があり、理想を信じ追い求める強さがあります。


王さんとのお話の中でも実はちょっとそんな話になり、同席されていた日本人の社長さんは、「中国が万民平等なんてありえない !」と笑い飛ばしていましたが…。
「確かにありえない。でも、いつかは… !」
私と王さんがどうしてこのように思うかと言うと…、王さんもそうなのですが、自分の利益追求のためではなく、中国のために何かをしようとする 40 代の人達が中国には多く居て、彼らの活動によってそのうち中国が変わるのではないかと信じているからです。また、彼らの中には自分自身の子供を「国の子供」と言って育て、国の為に何かをやるという考えを小さい頃から教えている人も居ます。


王さんは以前上海のエリートコースまっしぐらの公務員 (高級官僚) でした。100 人中 7名しか入れないような大学に入学し、国が入学金、生活費、就職まで全て面倒を見てくれたそうです。就職後も家、車、家電製品、食費などなど生活の一切のものは国の補助で、給料の全額を貯蓄できる生活をしていたそうです。


そんな生活の中で王さんは「何かが違う、もっと外の世界を見たい」と思って、その生活を捨て、日本へ留学したのです。退職の時に王さんは 33 歳。当然 (!) 奥様と揉め、上司には何度も「退職を取り消すなら今だよ」と念を押されたにも関わらず、日本へ留学しました。そして、言葉も通じない所で一生懸命勉強し、日本の良いところを中国に持って帰ってきたのだと話していました。今では当然当時のような暮らしはできないし、昔の同僚はみんな上海市の幹部クラスで偉くなり、簡単に会うこともできないそうです。


そして王さんは今、日本と中国を行き来して人材に関係する事業をされており、一番大切なものは教育であり、人材育成だと感じているそうです。中国に 1 人でも多くの優秀な人材を育てたいと言っていました。日本で学んだことを教えてあげたい、これからもっと中国は良くなると信じていると。


私の学校の校長は、4 年前に今の学校で働く事を選びました。お給料が 1/3 になっても、「もう、自分の財産などはどうでもいい。 40 を過ぎて、自分の子供も高校を出るし、後はもう、国のために何かしたい」と思ったからだと話してくれました。


私の出会った、中国を代表するエリートコースを歩んできた教養のある 40 代の方々は少なからずそのような話をし、そして実行に移しています。国の教育機関に大金を寄付している企業の社長や、内陸部の自分の故郷のために土地を買い、施設を作り、日本の工場を誘致して技術を学ぶ機会を与え、職の機会を作っている方などなど…。


全く見返りが無いとは言わないまでも、彼らが私財を国の将来に投資していることは事実です。彼はキャリアを積んである程度のレベルになると、何かしらそういった慈善事業をするものだという考え方があるようで、きっとそれは成功の証であり、感謝の気持ちであり、面子でもあるんだろうと感じました。このように実際に国に貢献している人達がこの広い中国に何人居るのかは分らないけれど、私が知っているだけでも数名存在するということは、もっと居るのではないかと、希望を込めて思うわけです。


その人たちがこれまでの経験で擦り込まれた理想の社会、自分達のキャリアの中や、海外留学によって広く知った現実と、理想とが相まって新しい形の理想郷が彼らの中にはできています。その理想が実現するまでには、もっともっと時間が掛りますが、理想に向けて実際に活動を始めている人達が居るということに私は感動し、先に言ったように「いつかは !」と信じたくなるのです。


さて、日本には今どのくらい居るでしょうか ?
日本の将来を心から懸念し、私財を投げ打ってでも、何かをしようとしている人が…。


執筆者 神田あさか

福岡県出身。大学卒業後、バブル経済後の不景気な日本で広告代理店の営業として働いていたが、「あと少し早く生まれていれば!!」と思い余り「バブルを感じてやる?!!」の一心で上海へ。現在上海の日系IT企業にて勤務。日夜、上海の活気ある街や人間に刺激され「私も一旗上げてやろう!」と上海ドリームを描いている最中

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