
日本人にとって会社に就職するということは、自分が「退職します。」と言い出さない限り半永久的にその会社に勤めるということと考えがちですが、中国はそうではなくて、日本でいう契約社員と同じ形態で採用されます。基本的に年間契約で、まず、3 ヶ月間 ( 半年のところもありますが ) の試用期間中は 80% 程度の給与で、その後問題がなければ本契約ということになります。給与は基本的に年俸制で、ボーナスは春節 ( 中国のお正月 ) 前に 1 度。もちろん会社によって異なりますが。
中国で始めて就職する日本人は「どうして私は契約社員で、正社員にしてもらえないの ? 」と戸惑う人もいるかも知れませんが、心配はいりません。みんな「契約社員」なのですから。
どうして中国の雇用形態が契約制なのか ?
それには様々な理由がありますが、最も分かりやすいのは次の例でしょう。
以前の中国はご存知の通り、全ての企業は「国有企業」でした。実質終身雇用と同じ形態でした。しかし、この国に補償された形態のもとでは「一生懸命働いても、そうでなくてもお給料は同じだ」と、いかにサボりながらお給料をもらうか、みんなが働ける代わりに低賃金でしたから、いかにお給料以外の利益を得るかを考えていました。つまりまじめに仕事をする人が少なかったのです。これでは中国の経済は伸びるどころか、国際社会に取り残され衰退する一方です。
そこで現在では、企業も当然国有だけではなく、民間、独資、外資と多様化し、企業は雇用形態を「契約制」にすることで、「一生懸命働かなければ、契約の更新はありません」という立場を取ったのです。しかしその結果、皆が「一生懸命働こう ! 」と思うようになったかといえば、これがまた少し違うようです。
日本人は「私は会社で働かせて頂いている」という考えがあり、「休みを頂く」とか「~させて頂く」と言った表現をよく使いますが、中国の人はこの考えを笑います。中国の人にとっては「あなたの会社で働いてやっている」となるそうです。
その背景には「一生懸命働いて、会社に利益を残したところで、契約期間が終わった後はどうなるか分からないし、やるだけ損だ」と言う気持ちがあるようです。日系企業では考えられませんが、人口の多い中国では安い社員を使い捨てにする企業も少なくないですから、その気持ちも分からないでもありません。
では、皆さんが中国で働く場合、どのような会社を探せばいいのでしょうか。あまり日系企業では「使い捨て」にするような会社は聞いたことはないのですが、念のために …。まずは ( 私の会社もそのようにしていますが )、契約を交わすときに社の方針を説明してもらいましょう。そこで<契約期間は形だけのもので、あなたにはこれから長く勤めてもらいキャリアを積んでもらいたいです>という内容の話があれば、比較的大丈夫じゃないでしょうか。また、国営企業の頃のように「がんばっても給料は同じ」ではなくて<仕事内容、成果の評価を給与に反映させます>という会社であれば尚結構ですね。また、日本で就職活動をしていても同じですが、その会社の様子をよく見ること。社員が生き生きと働いているか ? 社内の雰囲気はどうか ? など。
現在中国では中途採用が多く、新卒の学生を採用するケースは少ないです。しかし日系企業では新卒であっても「私は他の誰よりも頑張ることができる」とか「是非中国で働きたい」という熱意で採用してもらえる場合もあるようです。雇用形態を根掘り葉掘り聞くよりも自分の熱意を伝えることに力を注いだほうが、日系企業に就職する場合はいいのかも知れません。
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執筆者 神田あさか
福岡県出身。大学卒業後、バブル経済後の不景気な日本で広告代理店の営業として働いていたが、「あと少し早く生まれていれば!!」と思い余り「バブルを感じてやる?!!」の一心で上海へ。現在上海の日系IT企業にて勤務。日夜、上海の活気ある街や人間に刺激され「私も一旗上げてやろう!」と上海ドリームを描いている最中 |
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