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中国のビジネス関連法規

対中国貿易の拡大や中国への企業進出に伴い、中国のビジネス関連の法律知識が大変重要になってきました。このコーナーでは、昨年のアンケートでも要望のあった中国のビジネス関連の法律・法規について、近年改正されたものを中心とした「豆知識」を数回のショート連載でお届けします。

中国は2001年12月にWTOに加盟しましたが、現在、市場経済に対応するため急ピッチで法整備を行っており、法改正も頻繁に行われています。ビジネスで中国と関連する業務をされる方は、常日頃から法改正について頻繁なチェックを心がけてください。動向ウォッチングに役立つサイトの情報もお届けする予定です。


第4回 会社組織

4回目の今回は、会社の組織(機関)についての豆知識です。
日本でも2006年5月から新しく「会社法」が制定され、会社や組織についての規定も大幅に変わりました。例えば、「有限会社」はなくなり、「株式会社」に一本化されます。また、従来あった最低資本金制度も撤廃され、資本金1円から会社を設立できるようになるため、中小規模でも「株式会社」が設立できます。会社の組織としては、従来の「株主総会」「取締役会」などに加え、大会社(監査特例法)のみに認められていた「委員会」を中小規模でも設置する事が可能になります。

中国でも2006年1月の公司法改正により、外商投資会社の株式会社・有限会社の会社形態の相違、また同じ有限会社でも合弁・合作、独資の各形態、規模の大小、設立時期等により会社の組織が大きく変わることになりました。また中国に設立した会社が、国内に子会社、営業所、事務所を設置するケースなど、中国の会社制度はますます煩雑になっていますので、詳細については弁護士等専門家の支援が必要です。

中国の会社組織

<董事会>
中国資本と外国資本による合弁会社の最高決議機関は「董事会(とうじかい)」です。これは出資者を代表する複数の「董事(とうじ)」により構成される経営会議です。日本で言うと、株主が取締役である「取締役会」といったイメージでしょうか。日本の株式会社の「株主総会」と「取締役会」の両方の機能を併せ持ち、定款の修正、増・減資、事業中止と会社解散・清算など重要決議事項については「満場一致」の決議が必要です。「董事長」は、日本の理事長、会長、代表取締役に相当し、法定代表として会社の代表権限を有します。

合弁会社の「董事会」は、会社経営に関してすべての事柄を決定することができる、極めて重要な機関で、「董事長」「副董事長」「董事」で構成されています。合弁会社の運営では「董事会」が経営の要となります。出資者(企業)は、みずから派遣する「董事」を通じ、間接的に現地法人の経営に参与することになります。董事の任命と解任はあくまでも出資者の権限でのみ可能で、董事会決議により解任することはできません。

独資会社の場合は、従来は上記の合弁会社と同じ仕組でしたが、2006年1月の中国公司法改正とその関連通達により、会社の組織制度が大きく変更されました。これから設立される独資会社の場合は、「股東大会」(株主総会)が最高決議機関となり、董事はここで選出され、董事会は日本と同様の取締役会の位置づけとなります。また、監査役の設置も原則義務付けられました。

豆リンク!参考になるサイト
「董事会のスムースな運営方法」(JETROサイト内)
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/others/advice/050119.html


<総経理>
日常の会社経営は「董事会」の定めた方針に従い経営を実行する「総経理」が執行します。日本における、戦略上の意思決定、経営の意思判断は「取締役会」が行い、個別事業の運営・管理を「執行役員」が担当するという日本の「執行役員制度」の考え方に近いものがあります。経営の機能を「戦略立案(意思決定)」と「業務執行」に分けて、より効率的な経営を実現しよう、というコンセプトでしょうか。

「総経理」は、「董事会」が事前に許可し、董事長が委任した範囲内で対外的に会社代表権を持ち、必要な契約を締結する事ができます。ただし、この場合の総経理は董事兼任者に限られます。総経理は「董事会」で討議決定された経営方針、経営目標、与えられた権限に従い、その実行を行います。英語では、 General Managerとなり、Presidentの単語はあてられません。
「総経理」と取引交渉を行う場合には、その取引が「総経理」に許容された範囲内にあるか、注意をしましょう。疑わしい場合は、「董事長」の署名と「公印」の押捺を要求します。


外貨の借入れ

第2回でも説明しましたが、「外商投資会社」は、外国銀行や中国の地場商業銀行から外貨・人民元の借り入れが可能ですが、「認可されている総投資額と登録資本金額の差額が借入れの上限枠」という規定のため、自由に無制限な借入れはできないようになっています。

中国での外貨管理は、「外貨管理条例」、「外貨の決済、売却、支払管理規定」「外商投資方向の指導規定」など外貨管理に関する諸規定により制限管理され、外貨の借入れ、外貨での支払いなどはこれらによって規定されています。
具体的には、海外から外貨借入れ行う場合、借入れ契約から15日以内(借入れ実行前)に「外貨管理局」で対外債務の登記「外債登記」を行う必要があります(国内人民元借入れに対する海外からの外貨保証の差し入れや、海外とのリース契約も対象となります)。「外債登記」をしないと、返済のための外貨購入や外貨送金の実行が認められないなど、厳しい外貨管理体制をとっています。

そういえば、日本でもつい最近までは外貨管理体制をとっていました。1998年に「外国為替管理法」が改正され日本の外貨管理制度が原則自由化になるまでは、規制があり、自由に外貨取引や保有ができませんでした。改正により外貨取引や保有条件が緩和された結果、外貨建ての国内取引やコンビニでの両替などができるようになったのでした。中国でもそのうち、コンビニで外貨を自由に交換する事ができるようになるのでしょうか?


今回の豆知識はお役に立ちましたか?ちなみに「董事会」の「董」とは、「ハスの根っこ」あるいは「ただす。おさめる。」の意味です。いよいよ次回は最終回、土地制度に関する「豆知識」をお届けします。
※本稿は2006年12月時点の情報に基づいて改訂したものです。本稿で解説した内容も、その後改正の可能性もあることをご了承ください。

参考サイト一覧
JETRO(日本貿易振興機構) 「中国」ビジネス情報ページ
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/
JETRO(日本貿易振興機構)税制
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/invest_04/
JETRO(日本貿易振興機構)外資に関する規制
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/invest_02/
JETRO(日本貿易振興機構)外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/invest_05/
中国の法規に関する資料リスト (環日本海経済交流センター サイト内)
http://www.near21.jp/center/book/china/law.htm
中国新法令ニュース (弁護士法人キャスト糸賀 サイト内)
http://www.cast-itoga.com/chinalaw/index.html

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